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【岐阜】

大腸がんを効果的に抑制 水溶性マグネシウム、岐阜大など発表

 マグネシウムを水に溶けやすくした「水溶性マグネシウム」が大腸がんをより効果的に抑制する可能性があることが、岐阜大大学院医学系研究科の久野寿也准教授(44)=腫瘍病理学=らの研究で明らかになった。4日、名古屋市熱田区の名古屋国際会議場で開かれた日本がん学会で発表した。

 発表によると、発がん性を高めたマウスに水溶性マグネシウムを13週間投与。16週間後に病理解析した結果、高濃度で投与したマウスの腫瘍の発症数は、与えない場合の4分の1程度だった。

 抑制のメカニズムは分かっていないが、発がんに関係する細胞分裂時の遺伝子の異変を軽減するとみられる。発がんリスクを高める炎症自体を抑える効果も確認された。

 久野准教授と、共同研究した東海細胞研究所(岐阜市)の田中卓二所長(62)によると、下剤などに使われる水酸化マグネシウムの大腸がんの抑制効果は22年前に確認されている。水溶性は体に吸収されやすく、効果が高まったとみられる。

 今後、抑制のメカニズムや人への効果を調べ、来年3月のアメリカのがん学会で発表したいとしている。

 会見した久野准教授らは「大腸がんにつながりやすい炎症性腸疾患はアジア諸国で増加しており、人への効果が確認されれば予防の道が開ける」と成果を強調した。

  (斎藤雄介)